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choroねえさんの「シネマノート」

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「ジョーカー」(2019)

JOKER s

子どもの頃にTVドラマの「バットマン」を観ていた頃は、何も考えずに単純に勧善懲悪のヒーローものとして楽しんでいましたが、大人になって映画版を観るようになり、とうとうノーランの三部作に至っては、文字通りダークな色合い&展開で、まさに大人の観る作品になってしまいました。大人が観る分には、いろいろ考えさせられたり、単純なストーリー展開でないところがまた面白く見応えがありましたが、それを経ての今回の「ジョーカー」の前日譚。

こちらも映画オリジナルストーリーとは言っても元はアメコミ。しかしこのようなシリアスな作品になるとは驚きです。ジャック・ニコルソンのジョーカーを観ていた時には想像もつかなかったことですから。

後にバットマンとなる子供時代のブルース・ウェインが登場したり、バットマンの物語以前のゴッサムシティの荒廃した様子など、バットマンをずっと観てきた者にとってはやはり楽しく観れるところも多く、また観るべき作品と言えると思いました。

ストーリーの中で、ジョーカーとブルースが異母兄弟?と思わせるような驚きの展開もあり、飽きさせません。しかし、どこまでがアーサーの妄想で、どこまでが真実なのか、観ている間はちょっと混乱も。(^^;

同じアパートに住むシングルマザーとのことや、TVで自分のショーを持つコメディアンのマレーに対する思いなども、えっ?と最後に妄想と分かった時は結構衝撃的でした。でも、いまだに本当にそうなのか、よくわかってないのですが。。。(^^;

アーサーは自分の意に反して緊張すると突然笑いだしてしまうという精神障害を持っています。これも驚きでしたが、母親のこと、彼の育った環境など、決して恵まれているとは言えない彼の人生によるものなのか、深いところはわかりません。でも、いいようのないせつなさや喪失感のようなものを観客に感じさせ、最後は最悪の狂気に満ちた姿を見せることになるジョーカーとなったアーサーを、決して敵対視はさせない描き方になっているのも凄いです。

犯罪を犯す人は、まず幸福な人生を送ってきたとは言えない人がほとんどなわけで、それは経済的にだけでなく、精神的なことも含めて、何処か欠けてしまったものが狂わせるわけですよね。アーサーは言ってみればいわゆる「危ない人」であることは、物語の最初からわかるのですが、あそこまで彼を狂わせたのは、やはり社会とまわりの人たちということでしょうか。

解説にあったのですが、ユゴーの「笑う男」にもヒントがあるそうですね。今年の春ミュージカルでも上演されたのに、見逃したのは惜しかったです。せめて本でも読んでみようかと思いますが気になりますね。

白塗りでお馴染みのピエロのメイクは、やはり自分の本来の姿(心)を隠すという意味もあるのでしょうか。ピエロを観ると子どもの頃からちょっぴり物悲しくなるのですが、無理して笑わせるという行為が、せつなさを感じさせるのかもしれません。本当の彼らの姿は誰も知らないわけですから。

そして人間とは残酷なもので、必ずと言っていいほど、弱いもの、道化的な者をバカにして今でいうイジメに繋がっているわけです。アーサーも冒頭、アルバイトの最中に若者たちにバカにされイジメをうけるのもお決まりの情景。これは現代の学校のイジメなどとも通ずるところがありますよね。(最近はとんでもない大人のイジメがニュースを賑わせていますが)

そんなアーサーも、セラピストからも事務的な対応しか受けられず、この物語の中では誰も本当の彼を理解しようとする人はいないわけで、結局は本当の無償の愛が得られなかったから、狂気に走ったとしか思えません。言い訳にしてはいけないとわかってはいても、なぜか同情もしてしまうのは、この映画の描き方の巧さなのかも。

とにかくホアキンの一人舞台ですね。ジョーカーと言うと、どうしてもヒース・レジャーを思い出してしまいます。あの絶賛されたヒースの後に同じキャラクターを演じることになったのは本当に大変だったと思いますが、負けず劣らじの素晴らしい演技(怪演)で素晴らしかったです。でも、こういうキャラクターを演じ切るのは精神的にも辛そう。どうか次は明るい作品に出て欲しいと思ったくらいです。

日本でも最近は通り魔的な訳の分からない(理由のわからない)犯罪が多発していますが、社会がゴッサムシティのような荒れ果てた環境でなくても、結局人間社会ではいつでも起こりうることで、人間の複雑さをあらためて感じますね。

原題:JOKER
上映時間:122分
製作国:アメリカ
公開情報:劇場公開(ワーナー・ブラザース映画)
初公開年月:2019/10/04
ジャンル:サスペンス/ドラマ/犯罪
映倫:R15+

《コピー》
本当の悪は笑顔の中にある

監督:トッド・フィリップス
製作:トッド・フィリップス、ブラッドリー・クーパー、エマ・ティリンジャー・コスコフ
脚本:トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー
撮影:ローレンス・シャー
音楽:ヒルドゥル・グーナドッティル
音楽監修:ランドール・ポスター、ジョージ・ドレイコリアス

出演:
ホアキン・フェニックス・・・アーサー・フレック
ロバート・デ・ニーロ・・・マレー・フランクリン
ザジー・ビーツ・・・ソフィー・デュモンド
フランセス・コンロイ・・・ペニー・フレック

【解説とストーリー】
 いわゆるアメコミが原作の作品としては史上初となるヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞の快挙を果たした衝撃のサスペンス・ドラマ。DCコミックスのバットマンに登場する最強最悪の悪役“ジョーカー”に焦点を当て、コメディアンを夢みる心優しい男アーサー・フレックが、いかにして社会から切り捨てられ、狂気の怪物へと変貌を遂げていったのか、その哀しくも恐ろしい心の軌跡を重厚な筆致で描き出す。主演は本作の演技が各方面から絶賛された「ザ・マスター」「her/世界でひとつの彼女」のホアキン・フェニックス。共演にロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ。監督は「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップス。
 大都会の片隅で、体の弱い母と2人でつつましく暮らしている心優しいアーサー・フレック。コメディアンとしての成功を夢みながら、ピエロのメイクで大道芸人をして日銭を稼ぐ彼だったが、行政の支援を打ち切られたり、メンタルの病が原因でたびたびトラブルを招いてしまうなど、どん底の生活から抜け出せずに辛い日々を送っていた。そんな中、同じアパートに住むシングルマザーのソフィーに心惹かれていくアーサーだったが…。(allcinemaより)
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Re: pu-koさん * by choro
> 異様ないじめのはびこる現在社会。
> この映画を警鐘と受け止める必要はあるでしょうね。

昔よりストレスの多い時代ということでしょうか。
ネットの普及によって、便利な反面、益々時間に追われるような世の中になってますよね。
人は余裕がないと精神的にまいってしまいますから、今後どのような社会になっていくのか、とても怖いです。

No Subject * by pu-ko
シリアスな映画になってましたね。
暴力に走ってしまったジョーカーを肯定はできないけど、どこかで食い止めることはできなかったかなと思ってしまいます。
異様ないじめのはびこる現在社会。
この映画を警鐘と受け止める必要はあるでしょうね。

Re: ジュンサンさん * by choro
> 一昨日観ました、バットマンの悪役の誕生物語、と単純に片付けられない深いものを感じました、ピエロ集団は不気味です

奥深い作品でしたね。
群衆は一番怖いものだと思います。
現代社会でもそれはよく感じますよね。

No Subject * by ジュンサン
一昨日観ました、バットマンの悪役の誕生物語、と単純に片付けられない深いものを感じました、ピエロ集団は不気味です

Re: 木蓮さん * by choro
> 最近なんだか映画を観て、身近な現代社会と被ってしまうことが多くなりました。
> そういう時代なのかもしれません。

本当にそうですね。しかも暗い話が多い・・・夢がなくなりつつありますよね。

ホアキンはオスカー級の演技で驚きました。
インパクトが半端なかったです。

> 一見物分かり良さそうな人物にデ・ニーロを持ってきてキャスティングの妙でした。
> どこまでが現実なのか分からないあたりも上手い演出でした。

デニーロも凄い役でしたね。
観客を引き込む演出もさすがでした。

No Subject * by 木蓮
最近なんだか映画を観て、身近な現代社会と被ってしまうことが多くなりました。
そういう時代なのかもしれません。
げっそり体重を落としたホアキンは凄かったですね。
一見物分かり良さそうな人物にデ・ニーロを持ってきてキャスティングの妙でした。
どこまでが現実なのか分からないあたりも上手い演出でした。

コメント






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Re: pu-koさん

> 異様ないじめのはびこる現在社会。
> この映画を警鐘と受け止める必要はあるでしょうね。

昔よりストレスの多い時代ということでしょうか。
ネットの普及によって、便利な反面、益々時間に追われるような世の中になってますよね。
人は余裕がないと精神的にまいってしまいますから、今後どのような社会になっていくのか、とても怖いです。
2019-12-29 * choro [ 編集 ]

No Subject

シリアスな映画になってましたね。
暴力に走ってしまったジョーカーを肯定はできないけど、どこかで食い止めることはできなかったかなと思ってしまいます。
異様ないじめのはびこる現在社会。
この映画を警鐘と受け止める必要はあるでしょうね。
2019-12-27 * pu-ko [ 編集 ]

Re: ジュンサンさん

> 一昨日観ました、バットマンの悪役の誕生物語、と単純に片付けられない深いものを感じました、ピエロ集団は不気味です

奥深い作品でしたね。
群衆は一番怖いものだと思います。
現代社会でもそれはよく感じますよね。
2019-12-07 * choro [ 編集 ]

No Subject

一昨日観ました、バットマンの悪役の誕生物語、と単純に片付けられない深いものを感じました、ピエロ集団は不気味です
2019-11-28 * ジュンサン [ 編集 ]

Re: 木蓮さん

> 最近なんだか映画を観て、身近な現代社会と被ってしまうことが多くなりました。
> そういう時代なのかもしれません。

本当にそうですね。しかも暗い話が多い・・・夢がなくなりつつありますよね。

ホアキンはオスカー級の演技で驚きました。
インパクトが半端なかったです。

> 一見物分かり良さそうな人物にデ・ニーロを持ってきてキャスティングの妙でした。
> どこまでが現実なのか分からないあたりも上手い演出でした。

デニーロも凄い役でしたね。
観客を引き込む演出もさすがでした。
2019-10-19 * choro [ 編集 ]

No Subject

最近なんだか映画を観て、身近な現代社会と被ってしまうことが多くなりました。
そういう時代なのかもしれません。
げっそり体重を落としたホアキンは凄かったですね。
一見物分かり良さそうな人物にデ・ニーロを持ってきてキャスティングの妙でした。
どこまでが現実なのか分からないあたりも上手い演出でした。
2019-10-18 * 木蓮 [ 編集 ]