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choroねえさんの「シネマノート」

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舞台【愛と哀しみのシャーロック・ホームズ】

シャーロック

三谷幸喜作品の舞台は映像では何作か観ているものの、一度生で観てみたいとずっと思っていたのですが、今回三谷さんオリジナルのシャーロック・ホームズの話で、しかも主演がミュージカルでお馴染みの柿澤君ということ、そして地元近くの劇場というので速攻でチケットをゲットして楽しみにしておりました。三谷さんの人形劇のシャーロックも面白かったし、本当にホームズファンなんですね。(笑)

いや~面白かった!!三谷さん、本当に凄いです!(笑)
ストレートプレイは久々でしたが、小劇場でマイクなしの演劇はやっぱりいいですね~大劇場とは違った息遣いまでわかるような雰囲気はまた格別です。

物語はシャーロックがまだ有名になる前の若かりし頃、すでにベイカー街のハドソン夫人の下宿にワトソンと住んでおり、レストレード警部なども出入りしているという設定から始まります。
私はシャーロッキアンでもなく、原作も全部は読んでませんが、カンバーバッチの「シャーロック」に嵌りましたし(笑)ダウニーの映画版やジェレミー・ブレットのドラマ版なども観たので、そのたびにちょいちょい原作をかじったり、調べたりしたせいか、大まかな設定や有名どころのエピソードは知っています。そう言えばこの作品とは逆にシャーロックの90代を描いたイアン・マッケランの映画もありましたね~凄いですね。シャーロックの人気は。(笑)

で、今回はそんな原作を三谷さんが自身のホームズ愛を持ってオリジナルストーリーを考えたという感じで、原作の雰囲気を持たせながら、三谷色たっぷりの楽しい舞台を作ってくれました。謎解きなど、さすがによく考えられていて感心しましたが、ただのミステリーだけでなく、登場人物の裏側や驚きの展開など、本当に飽きさせないストーリーで最後の最後まで楽しめました。

もうひとつ、今回英語副題となっている「スペア」というテーマですが、それもふまえて観ていると、なるほど、人間社会のちょっとせつない部分とかも感じられ、ただのお笑いでないストーリーは本当に三谷さんの手腕を感じますね。

シャーロックたちの部屋だけで物語は進みますが、小劇場ならではのコンパクトなセットがまた原作に限りなく近く作ってあり、原作のエピソードを思い出させてくれるようなしかけがたくさんありました。

登場人物もたった7名のみ。しかもお馴染みのメンバーがほとんどなので、観客はすぐに覚えられるし親しみも感じます(笑)。ミュージカルではないけれど、音楽はピアノの生演奏で、またわざと調律をホンキートンクピアノのようにはずしてあるところがレトロな感じで憎いですね。(笑)音楽を担当されている荻野さんご自身の演奏が劇中ずっと聴けるのは(しかも舞台下手の客席から見える位置で演奏)贅沢ですよね~本作ではピアノも一つの小道具的な扱いがしてあるのがいいですよね。

シャーロックの部屋を訪ねてくるのは、レストレイド警部、マイクロフト(実は最初からいるのですが)、ミセス・ワトスン、ヴァイオレットの4人。あとは住人のシャーロックとワトスンとハドスン夫人ですね。その中のヴァイオレットという若い女性の依頼を受けたところからいろいろな話に繋がっていきます。

ヴァイオレットの相談は比較的早くに解決したようにみえるのですが、その後、兄のマイクロフトが登場してからがまたひと悶着あり、兄弟が対決するトランプゲームは面白かったですね~映像を使うことで、観客にもシャーロックの心の中がよくわかるようになっており、これは現代ならではの演出ですよね。本当によくできているな~と単純な私は驚くばかりでした(笑)。

そのマイクロフトとの話が解決したと思ったら、最後にワトスンの話が・・・ここでこれを持ってくるのか~と思いましたが、戯曲というのはまた映画とは違った展開の仕方で驚かせてくれるものだとあらためて感じたり。。。(^^;

今回はシャーロックはまだ20歳代半ば(?)くらいの若者で、ワトスンはぐんと年上の設定となっており、それもまた面白かったです。カッキー(柿澤君)のシャーロックは若さ溢れるという感じで、まぁよく動くこと!あれだけ舞台の端から端までを行ったり来たり、跳んだり跳ねたりしたらかなり疲れるだろうと思いましたが(笑)、そこはダンスで鍛えてあるカッキーですからね(笑)。今回歌はありませんでしたが、十分ストレイトプレイの演技も堪能させてくれました。本当に彼の成長ぶりには目を見張ります。エキセントリックなシャーロックの雰囲気もしっかり感じられたし、次男としての悔しさなどもよく出ていてよかったですね。しかし、椅子の座り方が面白い(笑)。

ワトスン役の佐藤さん「シティ・オブ・エンジェルズ」で観た時は、少しテンション上げ過ぎ?と思ったのですが、今回は嵌っていました。父親のようなワトスンを面白可笑しく、また、自身の内なる苦しみも伝わる演技で、さすがですね。でも、この方が出てくるとなぜか笑いが込み上げてしまいます。緩急のつけ方が上手いのかな。

ヒロインというのとは違いますが、若い女性ヴァイオレット役の広瀬アリスちゃんも生で観れるのが楽しみでした。マイクのない舞台劇、大変だったでしょうね。舞台は2回目だそうですが、せりふも問題なく、シャキシャキしたヴァイオレットを好演していたと思います。やっぱり可愛いですね~(笑)

最初から別テンションで笑わせてくれたのはレストレイド役の迫田さん。TVでもおなじみの俳優さんですが、声もよく通りますね~このレストレイド警部は結構かわいそうな(笑)キャラなのですが、メチャ楽しませてくれました。

声が通ると言えば、マイクロフト役の横田さん。一人ダントツ大きな声でした!(笑)マイクロフトは癖のあるキャラですが、よく合ってましたね~シャーロックのことを兄としてどのように思っているのか、心の移り変わりがよく出ていてさすがでした。

ワトスン夫人役の八木さんは舞台は2度目だそうですが、TVドラマで観ていた時より演技もぐんとよくなられたように思います。とても自然な感じでよかったですよ~佐藤さんと一緒に2幕の冒頭でマイクを持って歌をうたったのにはびっくり!他にミュージカルのプロがいるにも関わらず、このお二人に歌わせるところが三谷さんらしいですね(笑)。とても微笑ましかったです。(^^)

なんと、今まで見た中では一番若いハドスン夫人のはいださん。今年のお正月過ぎに観た「ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレイト・コメット1812」(長!(笑))での活躍が記憶に新しいのですが、今回は可愛い下宿のおばさん(お姉さん?)という感じでよかったです。今回ははいださんも歌はナシでした(笑)。

せたがやパブリックシアターはちょうど10年ぶりでしたが(近いのになかなか行けない)やはり小劇場の演劇もいいですね~また観たくなってしまいます。ミュージカルでも国立中劇場やシアタークリエなど規模の小さな公演もありますが、ストレートプレイはマイクなしというのが歌舞伎などと同じくより臨場感が豊かですよね。

三谷さんの舞台は人気というのは生で観るとより納得です。TV中継ではよく観るのですが、また機会があったら足を運びたいですね。


作・演出:三谷幸喜
音楽・演奏:荻野清子

【出演】
シャーロック・ホームズ・・・柿澤勇人
ワトスン博士・・・佐藤二朗
ヴァイオレット・ファーランド・・・広瀬アリス
ミセス・ワトスン・・・八木亜希子
マイクロフト・ホームズ・・・横田栄司
ハドスン夫人・・・はいだしょうこ
レストレイド警部・・・迫田孝也

【解説】
ホームズとワトソンがベーカー街221bで同居を始めたのは、1881年の1月といわれています。これは、彼ら名コンビが出会ってから、「緋色の研究」で描かれた最初の事件に遭遇するまでの数ヶ月間の物語。
ホームズはまだ二十代の若者。
人間としても探偵としても未完成のシャーロックが直面する、人生最初で最大の試練とは?

公式サイトより

(2019.9.1~29 於:世田谷パブリックシアター)
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